中小企業診断士|一次試験の財務・会計攻略テク〔CVP〕

資格




中小企業診断士の試験で、受験生を悩ます科目の一つが「財務・会計」。診断士試験の受験生では、簿記が未経験であったり、ファイナンスなんて触れたことがないって方が多いと思います。

あなた

中小企業診断士一次試験の「財務・会計」について、CVP分析が得意になる方法を教えてほしい!

そんな質問に対する答えをこの記事で紹介します。

この記事で伝えたいこと

  • CVPの財務攻略テク
  • CVP分析攻略法を基本問題でおさらい
  • 一次試験の「財務・会計」で出題された過去問にチャレンジ

それでは、中小企業診断士一次試験の【財務・会計】CVP分析の攻略テクを紹介します。

CVP分析の攻略テク

いきなりですが、実はCVP分析は、中学生のときに数学で習った一次方程式で簡単に解けます!

その全貌を以下記事で紹介していますので、まだご覧いただいていない方は、まず『世界一簡単なCVP分析攻略法』をご覧ください。

中小企業診断士|世界一簡単なCVP分析攻略法〔学生OK〕

2018.03.28

上の記事を読んでいただいている前提で、以下説明します。

CVP分析攻略法を基本問題でおさらい

『世界一簡単なCVP分析攻略法』でも説明していますが、CVP分析の攻略ポイントは、以下です。

ポイント

売上高をXとおく!

では、実際に、基本問題でおさらいしたいと思います。

基本問題

売上高1,000万円、変動費600万円、固定費200万円のとき、利益を600万円あげるためには、売上高をどれだけ増加させるべきか。増加させるべき売上高の金額を答えよ。ただし、変動比率、固定費は不変とする。

今回の基本問題は、損益分岐点売上高を求めるものではなく、利益600万円を確保するために必要な売上高を求める問題です。

では、世界一簡単なCVP分析攻略法に基づき、この基本問題を解いていきます。

変動比率を求める

損益分岐点分析では、変動比率が非常に重要です。変動比率がわかれば、CVP分析はもう解けたも同然です。

変動比率とは、売上高に占める変動費の割合のことでした。上の基本問題の変動比率は、以下のように求めます。

変動比率

変動費600万円÷売上高1,000万円=0.6

∴変動費率=0.6

一次方程式で解く

売上高をXとおくと、変動費は、0.6の割合で変化するので0.6Xとなります。固定費は変化しないので、200万円となります。そして、利益を600万円確保したいので利益の額は600万円とします。表にまとめると、以下のようになります。

売上高 X
変動費 0.6X
固定費 200
利益 600

では、上の表をもとに利益を求める算式に当てはめてみます。

X-0.6X-200=600

中学校で習った一次方程式ができました。あとは展開して、Xを求めるのみです。

X-0.6X-200=600

0.4X-200=600

※ちなみに、0.4Xが限界利益の額です。

0.4X=800

X=2,000

∴増加させるべき売上高の金額は、2,000-1,000=1,000万円となります。

一次試験の「財務・会計」で出題された過去問(一番大事な基礎問題)にチャレンジ

では、実戦です。

平成22年度の中小企業診断士一次試験の過去問(財務・会計第9問)にチャレンジしましょう!

当期の売上高と費用の内訳は次のとおりである。他の条件に変化はないものとして、販売価格が1,700円に低下した場合の損益分岐点売上高の変化として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。

売上高(価格2,000円、数量400個)800千円
変動費320千円
固定費360千円

〔解答群〕
-100
+80
+100
+200

引用:(一社)中小企業診断協会HP

問われていることは、損益分岐点売上高の変化の額なので、まずは当期の与えられた数字をもとに損益分岐点売上高を計算しましょう。

そのためにまずやるべきことは・・・
変動費率を求める』でしたね!

売上高が800千円、変動費が320千円なので、変動費率は以下のとおり。

変動費320千円÷売上高800千円=0.4

よって、売上高をXとしたときの変動費は0.4X、固定費は360千円、損益分岐点売上高のとき利益は0なので、表にすると以下のようになります。

売上高 X
変動費 0.4X
固定費 360千円
利益 0

上の表をもとに、一次方程式をつくり、Xを求めます。

X-0.4X-360=0

0.6X-360=0

※ちなみに、0.6Xが限界利益の額です。

0.6X=360

X=600

∴販売価格が2,000円のときの損益分岐点売上高は、600千円となります。

続いて、販売価格が1,700円に低下した場合について考えたいと思います。

売上高を計算します。

販売価格1,700円×販売数量400個=680千円

問題文中に「他の条件に変化はない」と書かれていますし、販売単価が変動しただけなので、変動費と固定費は不変であることが理解できます。

ここで、現状の変動費と固定費の合計額に着目!

変動費320千円+固定費360千円=680千円

なんと、売上高680千円から変動費と固定費の合計額680千円を引くと利益0であり、680千円が損益分岐点売上高と判明します。

よって、販売価格2,000円のときの損益分岐点売上高は600千円、販売価格1,700円のときの損益分岐点売上高は680千円となり、+80千円増加していることがわかります。つまり、正答は、「」になります。

まとめ

中小企業診断士一次試験の「財務・会計」におけるCVP分析の攻略テクと活用法を紹介しました。

まずは、基本問題をこなし、CVP分析の構造を理解することが大事です。

公式の丸暗記よりも、売上高をXとおくなど、中学の数学でも習ったように「わからないところをXにおきかえ考えてみる」ことで、歯が立たなかった問題も解けるようになると思います。

人気記事プロコン推薦!中小企業診断士最短合格のための勉強法【効率化】